幼稚園の意味
特定警戒都道府県である埼玉県は、まだ緊急事態宣言が解除されず幼稚園や学校は休業が続いています。「いつになったら始まるかしら?」と言う思いと、「解除になったからって、幼稚園や学校に行っても大丈夫だろうか?」と言う期待と不安が交差する毎日をお過ごしのことと思います。しかし、こんな時だからこそ「幼稚園ってなんで行った方がよいの?」と、幼稚園の意味を考える時が与えられたと思うのです。
5月になり、幼稚園から担任がご家庭に電話をかけています。困りごとを話してくださる方もありますが、「大丈夫です。元気にしています。」「兄姉と楽しく遊んでいます。」と答えてくださる方もあります。では、楽しく過ごせていれば、このまま幼稚園に行かなくても良いでしょうか?いえいえ、そうではありません!
赤ちゃんとして生まれ、ご家庭で大切に育てられてきた子どもたちは、体も心もどんどん大きくなり、3歳を迎える頃には自然と他者や同年齢の子どもたちに興味が向いていきます。
「なんで?」「どうして?」の探求心も広がり、「自分で!」とやりたい事も増え、やってみて自信をつけたり、うまくできずにやり直しながらいろいろな力をつけていきます。体だって、起きて、食べて、活動して、寝てと言う生活のリズムができ、思い切り走ったり、跳んだり、リズムに合わせて動いたり、物を使って投げたり、取ったりができるようになっていきます。
だから、幼稚園と言う家庭とは違う場が必要になって来るのです。
聖学院みどり幼稚園の年間保育目標は「神さまの愛の中で、人と関わりながら、生きる力を育む」です。神様に愛されている大切なあなたであることを伝えたいと思います。家族以外にも、あなたのことを大切に思い、世話をしてくれる人(教職員)がいる事を教えたいと思います。仲間がいると楽しい事、自分とは違った見方や考え方があることを知り、そんな違った人が集まると大きな力になる事を経験させたいと思います。そして、自身で感じ、考え、動き出せる力を養いたいと思います。そんなために幼稚園はあるのです。これらのことを経験しないで大人になってしまったら、新しい事・困難な事を受け止め、楽しい事に変えていくことはむずかしいことになってしまうでしょう。人生をいろんな人と共に楽しく過ごせるように、大切な幼稚園時代です。早くみんなが安心して幼稚園生活を始められるよう願っています。
主幹 本田 ゆかり
【聖学院みどり幼稚園だより 「緑のオリーブ」№2 2020年5月20日発行より】