クリスマスプレゼント -「緑のオリーブ」№8 聖学院みどり幼稚園だより-

先日、久しぶりにデパートのおもちゃ売り場の前を通ると思わぬ人出に驚きました。今年はコロナ禍ですが、子どもたちのためにプレゼントの用意をする姿はいつもの年に変わらないことを思いました。むしろ、コロナのためにいろいろな制限の多い今年ですから、せめてプレゼントはいつも通りと思う大人の思いもあることでしょう。

すっかりプレゼントが定着しているクリスマスですが、では、なぜ、自分のお誕生日でもないのにクリスマスにプレゼントをもらうのでしょう?もともと、ヨーロッパのお祭りではプレゼントを交換し合うという風習がありました。ですから、教会では昔からクリスマスには“プレゼント交換”をしていました。相手のことを思って準備をし、共に喜びを分かちあうことにクリスマスの意味があるからです。

今は幼稚園の子どもたちからも、「サンタさんに何のプレゼントをお願いしたか?」という話があちらこちらで聞かれます。もちろん、子どもたちにとっては大きな関心事です。しかし、幼稚園のクリスマスでは、子どもたちも相手を思いながらクリスマスの喜びを分かち合う経験をして欲しいと思っています。今、ご家庭で捧げてくださっている献金は、大きなプレゼントの一つです。私たちの働きが、愛泉園や光の子どもの家、バングラデシュ、災害に遭われた方々のために用いられるのです。また、幼稚園のクリスマスの日に、おうちの方へ渡すプレゼントも作り始めました。今までの幼稚園の生活の中で経験し、できるようになった力を用いてプレゼントを作ります。年中・年少組の子どもたちは、保育者が何をプレゼントにしようか考えます。出来栄えだけが優先してしまうのではなく、今の子どもたちに合ったもの、そして、ひとりひとりの好みや個性が失われないように、同じものを作るにも、色や材料が選べるようにと配慮します。さらに、年長組の子どもたちは、幼稚園にある材料を使っておうちの方々が喜ぶものを考えるところから始まります。決まったら保育者に相談し、より良い材料を探し、共に方法を考え、そして、作る時間も自分で考えて取り組みます。決して簡単なことではありませんが、自分で考え、行動することを学んだみどり幼稚園でのプレゼント作りです。まだ内緒の話ですが、クリスマスの日、おうちの方々の喜んでくださる姿を楽しみに準備中です。

主幹 本田ゆかり

【聖学院みどり幼稚園だより 「緑のオリーブ」№8 2020年12月14日発行より】