一歩一歩、確実に -「緑のオリーブ」№3 聖学院みどり幼稚園だより-

一歩一歩、確実に

緊急事態宣言の解除に伴い、みどり幼稚園も6月より再開することとなりました。園庭開放に親子で遊びに来ていた子どもたちもいましたが、始業式や入園式以後、顔を合わせる機会がなかったお友だちも多く、今は改めて再会できた喜びを実感しています。ただし、久し振りに子どもたちに会って感じることは、しばらくのお休みの影響で幼稚園生活への対応ができている子とそうではない子の間に個人差がけっこうあることです。中には“少し後戻りしてしまったかな?”と思わされる場合もあります。その意味で、一刻も早く通常の保育に戻していきたいという思いと、子どもたち全体の様子や状態を見ながら少し慎重に進めた方が良いという気持ちが交錯し、先生達の間でもしばしば議論となることがあります。

子どもたちは遊びによって成長していきます。そして、お家で遊んでも幼稚園で遊んでも同じだと考えられる方がおられるかも知れませんが、実は全く違うのです。遊びにも発達の段階がありますが、バーデンというアメリカの心理学者が提唱したものによると、①ひとり遊び、②傍観遊び、③並行遊び、④連合遊び、⑤協同遊び、という5段階に分類されています。内容はおおよそ想像がつくとは思いますが、他の子どもの遊びなどを見ているだけでそれに加わらない状態も発達の一段階として捉えていることは重要です。私たちは何もしていないでいる子を見ると心配になり無理に遊ばせようとすることがありますが、このような状態も成長の一段階であるのです。ところで、お家での遊びは多くはひとり遊びが中心でしょう。兄弟姉妹がいる場合でも同年代の子ども同士でなければ協同遊びの段階まで達することは難しいのではないでしょうか。逆に“ひとり遊びに戻ってしまった”という声も結構聞かされます。また、身体面でも体力を持て余している子もいれば、体力がかなり落ちていると感じる子もいます。この長期のお休みは、私たち大人が考える以上に子どもたちへの心身に与えた影響は大きかったのです。どうぞご家庭においても、そのようなお子さんの微妙な変化を感じ取っていただきたいと思います。

幼稚園ではそのような子どもたち一人一人の状態を把握しながら、今後どのように保育を進めていくべきか様々な検討を行っています。(蒸し)暑い季節を迎えたこともあり、子どもたちの体力は予想以上に消耗しています。また、他の子と比較してあれができない、これができないと親が焦ることも子どもにとっては大きなプレッシャーになります。私は常々早期教育よりも集中教育だと考えていますが、お勉強も運動も、興味や関心を持ち自分自身がやってみたいと思うようになればその成長のスピードは驚くべきものがあります。大人は、子どもたちの自ら成長しようとする力に期待し、その環境を整えることに集中していきたいものです。焦りは禁物、一歩一歩で良いのです。子どもたちは確実に成長しています。

園長 山川秀人
【聖学院みどり幼稚園だより 「緑のオリーブ」№3 2020年6月19日発行より】