大切にしたいこと -「緑のオリーブ」№9 聖学院みどり幼稚園だより-

主の年(A.D.=Anno Domini) 2021年、明けましておめでとうございます。年が明けて間もなく埼玉県を含む1都3県では新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」が発せられましたが、本園においても色々な行事や集会が中止や延期せざるを得ない状況となっています。子どもたちには常日頃言っていることですが、三密をできるだけ避けると同時に手洗いやうがいの励行をお願いいたします。

このような状況下にあるためでしょうか、昨年は個別に幼稚園見学や説明を希望される方が多かったように思います。確かに大人数を一堂に集めての説明会よりも、密を避けることや普段の園児の様子を見ることができるなどメリットが多いためだろうと思います。個別の説明では、みどり幼稚園の特色である「遊び中心の保育」や「キリスト教保育」についてお話しさせていただきます。前者については広い園庭やプレイルームという環境に恵まれ、子どもたちが伸び伸びと遊んでいる様子を見ていただくことでご理解も早いのですが、キリスト教保育については、園生活の中で具体的にそれがどのように行われているのかなかなか理解いただくのが難しいと感じています。みどり幼稚園にお子様を通わせておられる保護者の皆さんは、キリスト教保育の特徴は何かと聞かれた場合、何とお答えになられるでしょうか。勿論、園によって多少異なるでしょうが、私たちはこのようなことを願いつつ子どもたちと日々接しています。

1. 見えるものと見えないものがありますが、見えるもの以上に見えないものを大切にと心がけています。
2. 現実の事柄によって世界は動いていますが、この現実の先を信じて今を生きる生き方を共に学んでいます。
3. 聖書が語るイエス・キリストを通して神さまに祈ることによって、生きる力が与えられることを伝えています。

保護者の皆さんは、生きることをどのように感じ、捉え、考えられておられるでしょうか。その人の生き方とは難しいことではなく、その人の普段の生活の在りようそのものです。そして、その姿を見、その言葉を聞いて子どもたちは育っていくのです。よく「みどり幼稚園では先生が怒ることはないのですか?」と問われることがありますが、私は「“おこる”と“いかる”は同じ漢字を書きます。しかし、“いかり”で子どもは成長しません。大切なことは、子どもが今どんな気持ちか、何を考えているかを大人が正しく理解してあげることだと思います。」と申し上げます。子どもに伝えたいことは、日常の大人の生き方・言動から子どもは自然に学びます(良いことも悪いことも全て含めてです!)。

さて、では私たちはどうしましょうか。時々は一歩立ち止まり、心を落ち着けて普段の自分のあり方を見つめ直してみることも、子育てにとっては大切なことではないでしょうか。

園長 山川秀人

【聖学院みどり幼稚園だより 「緑のオリーブ」№9 2021年1月発行より】